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「皆で協力してファイルを整理整頓する」そんなコンセンサスが得られたなら、後は実行するだけです。
しかしちょっと待ってください。フォルダ型ソフトはファイルの整理整頓に向いていません。それならどうしたら良いのかというと、私たちが開発したKami 技というファイルソフトを使って下さい。
ファイルソフトというとMicrosoft製もApple製もAdobe製など全てフォルダの形をしています。ところがKami はフォルダではなく本棚の形をしています。私の知る限りフォルダ形以外の形をしたファイルソフトは存在しません。
ファイルを整理整頓することを目的に開発するとこの形になります。
しかし、フォルダ型ソフトがファイルの整理に向いていないことは明らかにも関わらず、それ以外のソフトが存在しないというのは、世の中のソフト開発者はファイルの整理に興味がないかのようです。
かといって、ファイルを整理整頓する以外に管理する方法があるのかというと、「パソコンの導入により一部の業務は効率化したが、ファイルを探がす時間が増えたことから結果的に効率化は見られない」といったように、問題は解決していないのです。
「ファイル管理が上手く出来ない」というテーマは、パソコンが普及し始めて30年余りが経ちますが、まるで忘れ去られたかのように放置されているのです。
Kami技の概要について説明しましょう。
本棚の中には本があり、その本の中にファイルが入る構造をしています。
実は本の中ではフォルダを作れます。これは、エクスプローラーの階層構造をそのまま取り込んだり、出力する際の複雑な階層構造に対応したりするためですが、前回の説明通り、フォルダの数の多さや階層構造の深さがファイルの整理を苦手とする一因になっているので、利用する際にはフォルダの階層は1~2階層程度とします。
ここで問題が想定されます。
「共有フォルダの何処に何があるのか分からない」といった状態では、フォルダの数が多かったり階層が深かったりする筈ですから、大量のファイルが想定されます。
これをKami技の2階層(フォルダを1階層作ると3階層)の本棚で表現しようとすると、「結果的に本棚や本の数が増えて探すのが難しくなるのではないか」との懸念です。
その点はご安心ください。
Kami技は「共有フォルダ」の代替品として使えるよう、社内LAN上で動作するクライアントサーバー型というシステムになっています。
これは各自がKami技に格納したファイルを、ネットワーク経由で一台のサーバーパソコンのデータベースに一元化するものです。
複数の使用者が同時に利用するシステムなので起動時にはユーザー名とパスワードが必要になります。
組織では一部の管理者を除いて部署が異なると殆どの場合、部署を横断してァイルを共有することはありません。
営業部の人が経理部のファイルを使用することは有りませんし、その逆もそうなのです。
また、情報としては保存する価値があるものでも、10年前のファイルを頻繁に利用することはないでしょう。必要な人に必要なファイルを表示させることが出来れば良いのです。
Kami技では利用するユーザー毎に、本棚に対する権限を以下のように設定することが出来ます。
・本棚内のファイルを編集できる
・本棚内のファイルを閲覧できる
・本棚を表示しない
これにより、どんなにKami技に大量のファイルが格納されたとしても、その人にとって不要な本棚を表示させないので、本棚が数個、その中の本が数冊といったように、一人一人にとっていつもシンプルで使いやすい書庫を提供出来るのです。