フォルダ型ソフトがファイルの整理整頓に向いていない理由

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整理整頓では「もの」を整理した人とそれを使う人が存在します
これが効果を発揮するのは、整理する人が行った「整理の仕方」を、使う人が整理された状態から読み取ることができる場合です
整理された状態から「整理の仕方」を読み取れると、目的の「もの」がどこにあるのか予測が付くので、総当たりに調べる必要がなくなり効率的なのです

共有フォルダのようにルールを知らないと使えないということになると、配属されたばかりの人や、昔に整理されてルールが分からない場合も使えません。
書庫の場合は「整理の仕方」を使う人が読み取れます。例えばエジプトのアレクサンドリア図書館で、紀元前に整理されたかもしれない書籍でも私たちは容易に探せるのです。

話を戻しますと、電子ファイルを「整理の仕方」を読み取れる状態で整理することが出来れば良い訳ですが、エクスプローラーに代表されるフォルダ型ファイルソフトの場合では、「整理の仕方」を理解するのが難しいのです。

では、書庫とフォルダの違いは何なのでしょう。
理解しやすいようにフォルダをダンボール箱に例えて、これを用いて書類を整理する場合を考えてみましょう
この場合のダンボール箱は、箱の中に更に箱を作れる仕組みということになります。
そしてこの段ボール箱で書類を整理してくれた人がいたとします。果たして、これを使う人は整理の仕方がわかるでしょうか。
段ボール箱を開けると中に書類と段ボール箱があります。その段ボール箱を開けると、更に書類と段ボール箱があるといったように、延々とこれを繰り返す可能性もあります。
これでは「整理の仕方」を読み取るのは難しいと思われますが、その理由は「①空けなければ何が入っているか分からない」「②階層が深く成りがち」といった構造的な問題です。

書庫の階層は「本棚」と「本」の二つです。そして「本棚名」と「背表紙の本のタイトル」が平面的に一緒に読み取れるので、本棚名とタイトル名の関係から目的の本棚を特定することが容易になり、その本棚から本を特定して更に書類を探すことができるのです。
あるいは、目的の書類が入っていそうな本棚が存在しない場合には「ここには書類がない」との判断も出来るのです。

ところが段ボール箱の場合には、開けてみなければ何が入っているか分かりません。箱を開けると更に段ボール箱が出てきます。そして、段ボール箱を開けるとまた箱がでてきます。これでは「ここには書類がない」との判断をするためには、全ての段ボール箱を開けなければなりません。
これは総当たりで調べることと同じになるので、整理整頓をしたメリットがないのです。

整理整頓は性質の似た「もの」を分類して並べるものです。どのような法則性で並べられているかを、私たちは無意識のうちに「何が何処に分類されている」といった全体像を把握した後に傾向を分析しているはずです。
ところが、共有フォルダの全体像を把握出来ないように、フォルダが多かったり階層が深かったりする場合には、「何が何処に分類されている」といった情報の把握は困難です。
そのために「整理の仕方」を読み取ることができないのです。
これが、フォルダ型ソフトがファイルの整理に向いていないと考える理由です。

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