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昨日までのブログは、パソコン使用者の意識改革を促して、皆で協力してファイル管理をしましょう、というものです。
では意識改革だけで上手くいくのかというと「出来なくはないが難しい」となります。
釘を打つのにスパナを使うようなもので成果があがりません。道具は目的に適ったものを使う必要があるのです。
では、目的に適った道具(システム)とはどのようなものでしょう。
私たちはファイル管理に整理整頓を提案しています。そのためにファイルの整理整頓に適したシステムが必要になります。
では、整理整頓が何故ファイルの管理に有効なのでしょう。それは、ファイルは書類や図面と特性が似ているからです。
パソコンを導入した組織では書類や図面がパソコンのファイルに姿を変えました。
書類をワードで作成する際には、ファイル名を「第○○回、△△議事録」というように書類のタイトルと同一にすることが一般的です。このことからして書類とファイルは1対1の関係で発生することが多いのです。
すると書類が一千枚ある組織では一千枚のファイルが発生することになります。これだけの数になると探すのが難しくなるのは当たり前なのです。
ところで皆さんは不思議に思わないでしょうか。ファイルという電子データに数の概念があるのです。
これはパソコンが個人向けのコンピューターとして生まれたことが影響しています。
それまでのコンピューターはデータベースを用いているのでファイルは存在しません。
パソコンはさまざまなソフトをインストールできるので、データベースのような定型的な仕組みではデータを保存できないのです。
そこでソフト固有の情報を保存するファイルが生まれました。これは同じソフトを使っている人同士で、「もの」を渡すようにやり取りが出来る便利な仕組でもありました。
書類は紙と筆記道具で作成します。パソコンではキーボードから文字を入力します。
このデータを保存したものがファイルですが、ファイルはパソコンとプリンターを介することで書類になります。
書類とファイルは情報の保存媒体で互いに数の概念があります、これらはとてもよく似ているのです。
一般的に「もの」は整理整頓することで管理が容易になります。そして「もの」と同様の特性を持つファイルも整理整頓が有効なのです。
それでは「ファイル整理整頓さえすれば管理が出来るのか」となるべきですが、そうなったでしょうか。
皆さんは共有フォルダにファイルを整理しようと試みたことがある筈ですが、上手くいかなかったのではないでしょうか。
実は、エクスプローラーに代表されるフォルダ型ソフトはファイルの整理に向いていないのです。そのために目的に適っていないスパナで釘を打つようなもので、成果が上がらなかったのです。