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Kami技で事務所のファイルを管理するなら、管理者を決める必要があります。電子本棚に給与明細書のファイルや社外秘のファイルを入れるかもしれません。その際に「誰にどのような権限を与えるのか」といった作業を行う管理者が必要です。全ての情報を知る立場になるので経営陣かそれに近い立場の人が好ましくなります。
管理者が決まると次は本棚の設計を行います。
設計する上で大事なことは、「各自のパソコンに入っているファイルで整理が必要なものは極僅かであり、大部分は整理する必要はない」ということです。
整理が必要なファイルは組織にとって保管すべきファイルですが、これを作成するまでには多くのバックデータ用のファイルがあると思います。バックデータはメモ用紙や参考書の情報に相当するものなので整理する必要はないのです。
では何故、各々のパソコンの中のファイルを整理して皆が使えるようにする必要があるのでしょう。
業務は必ず上司から依頼されて行うものです。職責上行わなければならないことも任命したのは上司なのです。
組織は分業した仕組みですから、上司から組織のための業務を一人一人が依頼されます。
パソコンは情報処理装置ですので、パソコンに向かって行う業務は情報の作成や加工といった情報処理に他なりません。その情報は依頼元の上司に返さなくてはなりません。
その際にメール等で上司に報告書のPDFファイルを添付して送付したとします。これで一見落着に思えますが、この報告書のPDFファイルをおそらく上司は管理しないでしょう。
そのために何年か後に、また上司が「あの時の報告書を再送付してくれ」と、言わないとも限りません。果たしてその時にファイルを作成した担当者は異動せずにいるのでしょうか。
組織が書類で情報をやり取りしていた時代には、「報告書等はまた、何かに使うかもしれない」と、書庫に整理していたと思います。ところが、パソコンを使うようになってそういった習慣がなくなってしまったようです。
見積書もそうです。対外的にやり取りした書類などは書庫に管理していたものですが、これらが各自のパソコンに入るようになり、担当者が退職や異動してしまうと、取引先にどのような見積書を提出していたのか分からなくなってしまうのです。
組織には保管した方が良い情報があり、それは以下のようなものです。
・対外的にやり取りした情報(FAX・見積書等)
・再活用が見込める情報(案内資料や販売促進資料等)
・組織内管理に関係する情報(売上グラフ・車両整備等)
・法律で保管が義務付けられている情報(契約書・経理料等)
そのため、これ等の情報に相当するファイルは整理整頓して、保管や公開を行う必要があるのです。