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Kami技はクライアントサーバーというコンピューターシステムの形態をしています。
以前にも触れましたが、機能や情報を提供するサーバーパソコンと利用者が操作するクライアントパソコンをネットワークで結び、クライアントパソコンからの要求にサーバーパソコンが応答して処理を進めるというものです。
特徴的なところは、クライアントパソコンで操作しているKami技の本棚は、実はサーバーパソコンの本棚であり、クライアントパソコンはその本棚にアクセスしているのに過ぎないというところです。
そのため、本棚にファイルを整理する作業はサーバーパソコンの本棚を整理する作業に他なりません。本棚に入れたファイルはサーバーパソコンに転送されるのです。
これとは逆に本棚のファイルを開く際は、サーバーパソコンからファイルがクライアントパソコンに転送され、編集が終了するとまたサーバーパソコンに戻されます。
Kami技の機能は、次第に部署内のファイルをサーバーに集約する役割を持ちます。
そして部署内のファイルを集約することで運用上の以下のメリットが生まれます。
その理由ですが、例えば書類が各自の机の引き出しに入っているとします。
これだと書類を探す際に、目的の書類を持っている人が誰なのか調査する必要がありますが、仮に分かってもその人が不在だったり、引き出しに鍵がかかっていたりすると入手できません。
しかし、部署の決められた書庫に整理してあれば、職員の在社、外出に関わらず目的の書類を容易に手にすることができます。
これと同じで、ファイルを一つの本棚に集約整理することで、誰もが目的のファイルを容易に手にすることが出来るようになるのです。
もう一つメリットがあります。
パソコンはいつかは必ず壊れます。それが明日なのか10年後なのか分かりません。
これを踏まえると、部署の重要な資産であるファイルが各々のパソコンの中に入っていたのでは、パソコンが壊れた際にファイルを消失してしまいます。
ところがサーバーパソコンにファイルが集約されていれば、クライアントパソコンが壊れても問題ありません。新しいパソコンを調達してネットワークに接続するだけでこれまで通りになります。
しかし、サーバーパソコンも機械ですのででいつかは壊れるリスクがあります。その場合は部署の多くのファイルを集約しているだけに被害が甚大です。
それでも、パソコン管理者としては、部署の全てのパソコンのファイルを管理するより、サーバーパソコンのファイルの保全だけを考える方が効率的なのです。
また、サーバー専用機は堅牢でファイルを消失しない仕組みがあるので安心です。
いくつもの記憶装置に同じ内容を書き込んでおいて、1つが壊れてもデータを失いません。
レンタルサーバー事業では、世界に設置した3台のサーバーで同期をとっていて、テロや核戦争が起きてもデータを消失させない仕組みを持っているところもあるくらいです。
このようにサーバーも進化してきたことから、データを一か所に集約して運用上の効率化を図ることができるのです。