「個人管理」や「プライバシーを侵害しない」という運用ルールの弊害

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組織を効率的に機能させるには「与えられた役割を行う」「与えられた役割以外の判断をしない」との運用ルールと「情報を伝達する仕組み」が必要になることが分かりました。
それでは「個人管理」や「プライバシーを侵害しない」という運用ルールが「効率化の弊害になる」とはどういうことでしょう。

パソコンを使わない時代では、上司が報告書の作成を部下に依頼し部下は作成した報告書を上司に提出します。この報告書はコストを掛けて作成した組織の資産ですので、書庫等に整理して「必要な人が利用できる仕組みを作る」ことが一連の流れになっています。

パソコンを用いるようになると、報告書をパソコンで作成するようになりました。作成した報告書はこれまで通り上司に提出します。
しかしワードやエクセル等を用いて書類を作成した際の書類と作成ファイルではどちらが重要でしょうか。
勿論ファイルです。ファイルがあれば書類は幾らでも印刷できますが、なければ再作成しなければなりません。

現在の組織の問題点は、ファイルを再利用する仕組みが存在しないことと、ファイルが各自のパソコンの中に残り年々増え続けることです。そのファイルに重要な情報が含まれていることは云うまでもありません。

個人管理とは「個人の判断に委ねるので管理をして欲しい」という権限譲渡です。
「パソコンの個人管理」では、使用者はパソコンに係わる全権を持つので、誰に相談する必要もなくファイルの削除が可能になります。
ファイルは組織の資産ですので本来なら一カ所に集めて組織主導で管理すべきところを、各自のパソコンに分散しているだけでなく、その管理を個人任せにしているところが問題なのです。

また「プライバシーを侵害しない」という運用ルールは、組織活動を機能不全にさせてしまう程の害があります。
身体に例えると、情報を保存する部位は本来脳だけのはずですが、ここでは体中に点在していることになります。
そして、これらの部位ではプライバシーの侵害との名目で外部からのアクセスを拒否する権利があり、そうなると組織活動が起動不全に陥るのです。

組織では一部が機能しないだけで全体が機能しなくなることから、「プライバシーの侵害」といった運用ルールは改める必要があります。

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