組織による分業化が業務を効率化する理由

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「個人管理」や「プライバシーを侵害しない」というパソコンの運用ルールが組織の効率化の弊害になるとの話をしました。
しかし「何故、弊害になるのか」と疑問を持つ方もいらっしゃるので、「組織とは何か」について考えます。

組織は業務を分業する仕組みです。分業の目的は効率化です。
皆さんの職場でもそうだと思いますが、同じ業務をするなら慣れている人が行った方が効率的です。この一人一人が慣れた業務を行うようにする仕組みが組織です。
慣れというのは習熟するということですが、芸術家もスポーツ選手も職人も、大よその仕事はこの習熟という能力をベースにしています。

ホームセンターからペンキを購入することも、それで車に塗ることも容易です。しかし、この人にお金を払って塗って貰おうと考える人はいません。
誰でもピアノを鳴らすことはできますが、この人のコンサートをお金を出して聴きに行こうとする人はいません。

マルコム・グラッドウェルは著書「天才! 成功する人々の法則」の中で、1つのことを1万時間真剣に訓練したら上達するといっています。
1万時間というのは、休日なく9時間訓練して3年を要します。
これは「石の上にも3年」という言葉に符合しますが、新人がプロとしてお金が取れるようになるまでの年月がこのくらいです。職人によっては更に長い年月が必要な場合もあります。
習熟にはこのように時間が掛かりますが、分業すると業務が細分化するので習熟するための時間を確保し易いのです。

逆に分業しない場合では、支払い業務や給与の計算から、税務処理、製品開発、営業、納品、メンテナスから電話対応まで1人で行わなければなりません。この場合は覚えることが多いので1つ1つの習熟に要する時間を確保できません。大体のことは出来ても、エキスパートと呼ばれるほどの習熟が進まないのです。

組織の規模が大きければ大きいほど業務が細分化します。そのため大手企業では「世界でこれの研究しているのは私達だけ」といったようなエキスパートが普通に存在します。
中小企業には出来ないことを大手企業が出来るのはこのようなエキスパートを育成できるからです。
組織の強みは、習熟した人員が業務に当たれるので効率化が図れるところでしょう。

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