クライアントサーバーシステムと排他処理

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Kami技は書類を本棚に整理するようにファイルを整理して管理に役立てるものです。
一見、「本棚の形をしているファイル保存システム」のようですが、実は本の中のファイルを編集することができます。
共有フォルダもファイルをダブルクリックして編集できますが、Kami技はより安全にファイルを編集できる仕組みになっています。

1990年代にOSがWindowsになり社内ネットワークが普及するなかで、多くの人が共有フォルダを使うようになりました。
その際にある問題が発生しました。それは一つのファイルを複数の人が同時に起動してしまうことです。これによりパソコンがフリーズしたり、ファイルが壊れたりといったトラブルが発生しました。

また運よくフリーズしない場合でも、共有フォルダには構造的な問題がありました。
例えば一つのファイルを10人が同時に編集したとしましょう。仕上がるとファイルを上書きして終了します。全員が編集を終了したとすると、10番目に保存した人の内容は残りますが、残りの9人は上書きにより編集内容が消えてしまうのです。

このトラブルを防ぐために、マイクロソフト社では共有フォルダを改修しました。
現在ではファイルを使用中の際は「編集中です、読み取り専用で開いて下さい」とのメッセージを表示します。
これを排他処理といいますが、この機能を動作させるには本来ならクライアントサーバーシステムが必要なのです。
クライアントサーバーシステムというのは、ネットワークを利用したコンピュータシステムの形態の一つです。
機能や情報を提供するサーバ(server)と利用者が操作するクライアント(client)をネットワークで結び、クライアントからの要求にサーバが応答する形で処理を進めるものです。
排他処理は、サーバーとクライアントでは上下関係があるので、クライアントがサーバーに「ファイルを開きたい」と要求しても、サーバーが「他に提供しているので駄目だ」と拒否することで行われます。

共有フォルダはピア・ツー・ピアという形態です。
これはパソコン同士に上下関係がないため、本来なら排他処理を行えません。
ではマイクロソフト社ではどのようにしたかといいますと、エクスプローラーと、ワードやエクセルといったソフト間で通信を行うようにしたのです。
ファイルを開こうとするソフトにメッセージを表示させ、ファイルを保存できないようにしました。
これで一件落着のようですが、そう上手くいきませんでした。
排他処理の仕様はマイクロソフト社が推奨するものなので、開発メーカーがこの仕様に準拠していなければ行えないのです。
ワードやエクセル等はマイクロソフト社製のために問題ありませんが、他のソフト開発会社は準拠しないところが多いのです。
現に、Adobe社のイラストレーターやフォトショップのファイルにしても「読み取り専用」のメッセージを表示せずに重複起動してしまいます。(※ファイルの上書禁止処理は行っています)

Kami技は、サーバーが本棚の全てのファイルを管理するので、メーカーを選ばずに排他処理を行うことができるので、安全なファイルの編集が可能になります。

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