パソコンの個人管理は非効率

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パソコンの「使い続けることによる勘違い」について考えてみましょう。
私達は何となく「他の人のパソコンを勝手に操作してはいけない」と考えています。
会社に指示された訳ではありませんが、パソコンを使う上での不文律でしょうか。
例えば以下のようなシーンです。
総務のB子さんが外出中に、取引先から「B子さんが昨日メールしてくれたファイルを至急送付して欲しい」との依頼があったとします。
上司はなんとか対応しようとします。幸いにB子さんのパスワードを知っていたことから、B子さんのパソコンのファイルを探し始めました。
そこへB子さんが用事から戻ってきました。
B子さんは上司が自分のパソコンを操作しているのを知り、「信じられない」といった表情で状況を見つめています。
上司がバツが悪そうに成り行きを説明し始めました。B子さんは平常心を装っていましたが、「上司だからといってもそんなことをしても良いのか」という、なんとも収まりきらない感情を持ったとしても想像に難くありません。

しかし不思議です。「他の人のパソコンを勝手に操作してはいけない」というルールを誰が決めたのでしょう。実は誰からも言われていませんし、誰も決めていません。
ただ、パソコンを使うとそういう風に思い込んでしまうのです。
その思い込みが、パソコンに化かされたバカバカしい勘違いだとしましょう。すると、このシーンはどのように写るのでしょう。
B子さんは、外出したことで取引先に迷惑を掛けています。上司はそれをフォローしようとしました。そのため、本来ならB子さんは「フォローありがとうございます」と上司にお礼を言うべきところです。
あるいは、「すみませんでした、本来なら取引先にこの書類を送付したことを報告すべきでした。」と上司に謝罪をすべきところなのです。

皆さんはどちらが正解に思えるでしょうか。
組織では、皆で協力したりフォローしたりして一つのことを成し遂げます。そのために個人で情報を抱え込まずに、誰でも分かるようにオープンにすることが効率的です。パソコンも本来なら「個人管理」といって一人一人が情報を抱え込むのではなく、誰のパソコンでも皆が自由に使えるようにした方が効率的なのは言うまでもありません。

鉛筆や消しゴムのように個人に支給されるもので、他の人が触れてはいけないものは有りませんでした。
会社のパソコンは業務を効率化するために会社の経費で購入したものです。
業務を効率化するために用意した道具ですので、使い方もデータも全てこの目的のためにあります。
私達はパソコンの運用を個人管理だったり、人のパソコンを勝手に操作してはいけなかったりすることを「普通のこと」と思っています。
しかしここは会社です。会社のパソコンに人に見られては困るようなデータが入っているとしたらそちらの方が問題です。
実は、一人一人が全てのパソコンをオープンにしても、誰一人として困る理由などないのです。

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