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社長の「ファイル管理を上手く行えるようにしよう」との方針に社員のコンセンサスが得られませんでした。
その原因が「パソコンのデータは自分たちで管理するもの」という個々の思いにあることが分かったので、その考え方の問題点を示して組織の効率化に適した考え方を紹介しました。
その結果社員の皆さんの行動が変わるようになりました。
ここでは、その際に話した要点をご紹介します。
「会社」と辞書を引くと「利益を得るための集合体」と出ます。
そのために皆さんは利益を出すことを目的に、社長をリーダーとして業務を行っていることになります。
今回、社長は「社内のファイルを整理したい」・「ファイル管理をもっと上手に行いたい」と考えました。おそらく「社内に流通するファイルの所在が分からない」といった状態なのだと思います。
ここで皆さんに質問したいのですが、社長の「ファイル管理をもっと上手にしたい」との方向性は無駄なことでしょうか。それとも「ファイルを探す時間が短縮して効率化に結び付く」可能性があるのでしょうか。皆さんは後者だと考えるはずです。
それにも関わらず、皆さんが納得しないというのは可笑しなことです。
というのは、もしもパソコンを導入する以前なら、社長が「書類を整理してもっと管理しよう」というと、皆さんは異論を挟まずに行動したのに違いないと思うからです。
書類もファイルも情報媒体として同じ存在です。それなのに、パソコンに関することになると皆さんは否定するというのは不自然です。
しかし見方を変えると皆さんの逡巡を理解できなくもありません。
「パソコンのファイルは自分たちで管理するもの」といった常識があります。そして皆さんはファイルをしっかり管理しているはずです。ところが今度は皆で協力してファイル管理を行うというものです。「個人管理すべきファイルを、そうして良いのか?」といった戸惑いが皆さんの中にあるのではないでしょうか。
しかし、もしも組織の運用には「パソコンのファイルは自分たちで管理するもの」との考えが間違っているとしたらどうでしょうか。みなさんは勘違いしていることになります。私はパソコンには、「使い続けることで勘違いが発生する仕組みがある」と考えています。